かくかくしかじかで、土曜日に一人時間が与えられた。いきなり自由を与えられても人は何をしていいのかわからなくなるものらしく。困った。
理子は半日授業で、帰ってくるまで家事をした。掃除機をかけ、仕舞いきれていなかった子供服をしかるべき位置に収納したりした。
自転車置き場に行き、自分のと兼用自転車の2台の空気を入れた。意外と億劫な作業なのでこういったときにやるのがいい。
理子が帰ってきて、代わりに私が出かけて行った。理子たちは友達の誕生パーティへと行くのだった。
私は空気を入れて少しばかり軽快に進む自転車に乗って、246を走る。以前まで乗っていたスペシャライズドのピストは撤去なのかパクられたのかしてしまい、いずれにしても私の手元から無くなった。かわりに無印で花さんとも兼用できるミニベロと呼ばれる車輪の小さな自転車を買ったのだけど、ちょっとそこまでならいいかもだけど、やはり長距離向きではない。いつかはまた自転車を買い直したいものである。
246を走っていると、電柱や看板の柱などの一定の高さの位置に縦組みで「wanto」の文字が見える。ピストに乗って一気にbombしているのかもしれない。TOMのタグも見つけてついつい写真に撮ってインスタに載せる。
駒沢のブックオフによる。洋書コーナーを見ると「KRINK」や「ソールバス」の写真集がある。随分とニッチなチョイスである。
店を出ると、駒沢通りへと出て、それから目黒通りへ。サムエムに通っていた時代の通勤路にでたが、いまいち街並みを思い出せない。こんな感じだったかな?というくらいだ。
目的の場所は下目黒の「BLITZ」というギャラリーで、ステーキの名店リベラを曲がってしばらく行ったところにあった。
テリワイフェンバックの展示を見るためにきたのだけど、このギャラリーにきたのは初めてだった。ギャラリーにしては珍しいと思うが、音楽がかかっていた。室内は私一人で、ゆっくり、じっくりと見ることができた。光を見つけて写真にするのが綺麗な人という印象。鈴木理策さんや川内倫子さんをふと思い起こさせる。
ギャラリーを後にすると、次の目的地へ。
目黒通りをさらに目黒方面へ進み、大鳥神社を中目黒方面へと曲がる。
もう膝が痛い。自転車の相性なのか、単純にあの頃よりも体のガタが来ているからなのか、わからない。次の目的地は池尻大橋で、中目黒を通るので寄り道をした。
「フィフスジェネラルストア」である。気になっていたアウターを見たかったのだ。とはいえ試着はせず、店内をふらふらと見て回ってから出た。リアル店舗でどうやって過ごせばいいのかすっかりわからなくなってしまったようだ。
また自転車を漕いで「voild」へ。場所は覚えていて難なく到着したのだけど、どういうわけか扉が開いていなかった。調べてみても特に休業ではなさそうだったのだけど残念だった。
それから渋谷へ。電気屋でカメラを見たかったのだ。ヤマダ電機にはデジタルカメラのコーナーがなかった。とても大きな店舗なのに、この店においてはデジカメというのは不要らしい。ビックカメラに行くと品揃えは豊富だった。
フジかソニーがいいなと思って物色した結果、やはり今使っているものの延長で考えようという結論になり、XS10というのが気になった。お値段は15−8万。おいそれと買えるものではないのでカタログだけ持ち帰った。
16時近かったのだけどお昼ご飯を食べていなかった。私というのは一人で行動すると食事や休憩というのが蔑ろになりがちである。
246をまた走り、三軒茶屋の味噌一でラーメンを食べた。久しぶりの味。まだ理子も玲もいなかった時代の、夜通しで働いていたあの頃の濃い味だった。
まだ空が明るければ下北沢にも寄ろうかと思っていたのだけどもうそんな元気もなくなってしまった。またブックオフに寄ってみる。洋書コーナーにはなにもなかった。理子の本を探してみる。宮澤賢治にどはまりしているのでなにかないかなと見てみると「銀河鉄道の夜」があったので買うことにした。
帰り道、MKUEのタグも見つけて、ちょっと興奮する。主要な道を自転車で走って街中のグラフィティを見るのは本当に楽しい。写真に撮って、やっぱりインスタにアップする。
それからは寄り道もせず、家に帰った。家人は誰もいなかった。洗濯を取り込み畳む。
お風呂に湯を張り一人で入った。
風呂から出るとビールを飲みながら、録画してあった「紅の豚」を見た。豚が飛行機を修理するところあたりでみんなが帰ってきた。
そうやって1日が終わった。
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