私の仕事は、木曜日に締め切りがあって割りに忙しいのだけど、元気を取り戻した怪獣と1日一緒だった。 私と玲と二人である。
彼女に機嫌よく過ごしてもらうために、お気に入りのプリンセスのドレスを着せたのは花さんだった。好プレイである。これでしばらくご満悦であった。そのテンションが保たれている間に私は集中力が必要な表紙のデザインを進める。
いつも奥の部屋に置かれているあまり使われていない玩具箱をリビングに運び出し、まさに玩具箱をひっくり返した。より目がキラキラする玲。
よしよし、私は集中して仕事に取り掛かることに成功した。
しばらくするとそんな世界はあっさり瓦解する。部屋の秩序も乱れている。
私の気を引こうと、わざと転んで、「おいしゃさーん おいしゃさーん」と私を呼ぶ。
プリンセスのドレスを着ていることも相まって、可愛らしい姿に37歳は膝をついて対応してしまう。「どこかいたいんでちゅか」彼女ももう3歳だからそんな喋り方をしなくてもいいのだけれど。
なんとかいいものができて、編集者に展開する。玲はテレビでネットフリックスを見たり患者になったり大変そうである。
お昼ご飯はうどんを煮た。よく食べる姿に安心した。食欲も戻ってきたようだ。
午後、保育園だと昼寝に入るのだろうけど、プリンセスは昼寝などしない。
ますますハイなテンションになっていく。
騙し騙し対応して、YouTubeを見せないようにしていたのだけど、もう限界になってしまい、テレビで見せることにした。
しかし、プリンセスはすぐに見たい動画が変わってしまうので、「ちがうのみたいー」とリクエストがこだまする。私は彼女に対して背を向ける格好で仕事をしているため、いちいち立ち上がってリモコン操作をせねばならなかった。
当然仕事の対応もずっとせねばらなず、最後の手段iPhoneでYouTubeを見せることにした。
すると先ほどまでのテンションはどこかへ吸い込まれてしまったかのように、無言な状態となった。
普段自宅で一人で仕事をしている時は当たり前のように享受していた空間を手に入れることができて私は喜んだ。
そうして、18時を大きく過ぎた頃、花さんと理子が帰ってきた。
食後、理子が学校で作ってきた鬼のお面を使って豆まきをした。まず理子が鬼となり、次に花さん、私の順だった。玲も楽しそうにオーバースローで私に豆を投げつけてきた。
成長したものだ、玲よ。
明日も玲とマンツーマン。
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