一人の布団で静かに目を覚ました。
昨日の深酒で頭にうっすらともやがかかっているようだ。
10時半に目を覚ます必要はないのだけど、切り忘れた携帯電話のアラームが執拗に鳴っていたのでそれを止めた。
テレビもラジオもない部屋では、iMacから流れる音楽だけが沈黙を埋めてくれる。
先日買った坂本龍一のピアノツアーアルバムの「hibari」の音色が、雨で沈んだ空気にしっとりなじむ。
布団の中でiphoneを使ってツイッターを見る。
布団をでると冷蔵庫からペットボトルの水を取り出してそれを直接飲んだ。
冷たい液体が内蔵に染み込んで行く。
しばらくインターネットでニュースをチェックしてから軽く食事をとる。
食べ終わると食器を洗い、身支度を整えて家をでた。
iPodとiphoneと財布を持って、山手通りを歩く。
小田急線に乗り込むと、目の前に座っていたのはワンカップ酒を片手に持ったまま寝ている浮浪者だった。中身がまだ残っているそのワンカップを器用に持っている。
危機管理能力がある人間だったなら、その場から離れるだろう。
しかし僕はそれがこぼれる事を少し期待して、その場に腰をすえた。
新宿駅についてもその浮浪者は起きる事がなかった。僕はホームに降りた。
西口にあるユニクロに行くと、30人ばかりの列が出来ていた。
その列に僕も並んだ。20分ほど待つと店内に入る事ができた。
ほとんど商品からMサイズが消えていた。
一通りの商品を見終わると、なにも買う事無く店を出た。
取り立てて欲しいものがなかった。
フラッグスの中にある無印良品で下着を買い、南口のユニクロで靴下とバスタオルを買った。
そして歩いて家まで帰った。
夕方の甲州街道は、学生で溢れていた。6年前には僕もそこにいた。
そう思うと、不思議だった。
6年前の僕とは逆方向に歩いて行く。
家に着くと、カレーを作った。
BGMはクラムボンにした。
小さな炊飯器でご飯を2合炊く。
変形したまな板で、じゃがいもとキャベツとタマネギと、ガーリックを切った。
厚手の鍋にオリーブオイルを入れ、温まってきたころにガーリックを入れる。
じゃがいもを入れしばらく炒める。色がほんのり変わると
タマネギをいれしんなりするまで炒める。キャベツも入れる。
しばらく炒めて水を入れる。そして煮立ってきたら灰汁をとり、
固形のコンソメとしょうゆを少し入れる。
カレーのルーを2種類入れて弱火で煮続けた。
数分後、カレーが出来上がりご飯も炊きあがった。
白いご飯を皿に盛って、茶色のカレーを隣に添えた。
なかなかいい出来のカレーだった。
部屋にはカレーの匂いが漂っていて、だれかの到着を待っている。
外はまだしっとりとした雨の匂いがしている。
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