2010年2月13日土曜日

26年前のバレンタイン

26年前の沼津では、珍しい雪が降った。バレンタインデーだった。
母親は富士市の病院で帝王切開をして僕を生んでくれた。病室には祖父母4人、父親、2歳の兄がいた。「女の子が生まれてくると思って女の子の名前しか考えてなかったのよ」母親は何年かした後に僕に教えてくれた。果たして生まれて来たのは2900グラムの男だったわけだ。
それでも両親は僕に「優」という名前を付けてくれた。「優しくて明るい男の子になりますように。お兄ちゃんが『翼でたすく』だから、あなたも3文字で『すぐる』ね」名前は願いだ。僕は両親の願いを叶える事ができただろうか?

先日、実家にいる祖父母から荷物が届いた。新聞にくるまれた野菜や果物だった。早速祖父母にあてて電話をかけた。
「おぅ荷物は届いたか?こっちも寒いけどそっちはどうだ?」と祖父が言った。
「こっちも寒いよ、雪が降るしね」僕は答えた。
「就職はどうだ?決まりそうか1.2個送って駄目だからって諦めるんじゃないぞ」と祖父が言った。
「うん、がんばるよ」と僕は言った。祖父が時折小さな咳をするのが気になった。
「また何か送ってやるよ」と祖父は言ったけど僕はいいよと言った。実家の離れで暮らす祖父母の姿が浮かんだ。なんだかとても申し訳ない気持になった。
今年の祖父母の誕生日には何かを送ろうと思ったけど誕生日を忘れてしまった。僕の誕生日は覚えてくれているのにね。
明日は家族に感謝する日にしよう。マイバースデーバレンタイン。
明日は雪が降るのだろうか。

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