出産を確実に、翌日に控えているという時点で、理子の出産の時とは全く違うんだよな、と電車に揺られながら考えていた。
花さんは今日の午後に入院し、明日の出産の準備をしていた。
その出産方法によってこうも理子の時と違うのだなと思い、また二人目だからということもあり、さらには日常で理子の世話をしていて忙しないから、という色々なことが相まって、明日出産を迎えているというリアリティがどこか遠い。
誇張でなく日に日に大きくなっていった花さんのお腹。そのお腹にそっと手を当てると、直前までは暴れまわっていたのに、なりをひそめる。理子はお腹の赤子に向かって「おねえちゃんだよ」と呼びかけ、その姿が愛らしかった。
毎週土曜日は定点観測を行なった。大きくなったなと思ってたあの頃の腹も、今の腹に比べればまだまだだったな、と振り返ってみてみるとおもう。
理子が生まれた病院とは違うところにしたのだけど、そこでは4Dエコーでも診察をしそれをプリントしてくれた。顔を見せてくれなかったね、といってまったくよく分からない姿のそれを見ても、どこか理子の顔に似てるねなどと言って花さんと笑って話した。
診察の帰り道、駅までのバスの時間が合わず、歩いて帰った日。理子はベビーカーに乗っていて、今度からは4人家族なんだなって実感した。
出産までの日が、一ヶ月、2週間、1週間と近づくにつれ、一つずつのことが3人ではなくなるんだなって、いつも以上に感傷的だ。
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