2019年9月19日木曜日
もやもやした景色の中で
ホテルに到着するものの、チェックインするには時間が早すぎた。花さんは交渉の末、アーリーチェックインという形でお金をいくらか支払いチェックインすることにした。外語大、ここに極まれりである。
その結果、この時間からクラブラウンジにて軽食を摂ることができた。15階から見下ろすクアラルンプールの景色はやはりもやっとしていた。でも目の前には有名なツインタワーがあり、マレーシアの近代化を示す象徴のようだった。そして周りには、15階にいたとしても見上げてしまうビルが他にもいくつもあったのだった。
部屋に入り、荷ほどきをすると、ベッドの中でしばらくまどろんだ。
その後ホテル近くの KLCC公園へと向かった。ホテルから外に出るには、屋根のついた通路を通って行けた。それを使えば主要なショッピングビルなどへは、直通で行くことができる。熱帯における雨予防の役割もあるのであろう。結果的に今回の旅において、純粋に外に出て歩いたというのはあまりなかったように思う。
街中のど真ん中の公園ではあるけれど、緑が生い茂っている。見たことのない草木、蝶々。平日であるからか、人もそこまで多くない。一画では子供用のいく種類もの遊具があった。子供は誰もいない。貸切状態だった。
公園内にはセキュリティの人が何人もいた。そして、意外とチェックが厳しい。園内には、いわゆるじゃぶじゃぶ池があり、そこには子供が入ることができるのだけど、ルールから逸脱した人を見かけると「ピー!」と笛が鳴り、そこから離れろとジェスチャーする。そんな光景を何度も見た。
気温は思ってたよりも暑くはなかった。とはいえ、少し蒸し蒸しする。そして木が茂るところにいるのに、やっぱり少し臭い。しばらくしてから涼むためにも建物に入ることにした。
スリアというショッピングビルに入る。マレーシアの大きな国旗がそこかしこにかかっている。そういえばタクシーで街中を移動してきた時も多くの国旗を見かけた。マレーシア人は愛国心が強いのだろうか。
ビル内をぶらぶらしていると、レゴの店を見つけてしまう。理子はどういうわけか、自分の興味のある企業ロゴやらFreeWi-Fiのロゴを見つける能力に長けている。そしてここぞとばかりに遊ぶこととなった。レゴがワールドワイドに展開していることを恨んでしまう。どうしてそんなに子供心をキャッチしてしまうんだ!
なんとか店から出ることに成功すると、ディンタイフォンで食事をすることにした。一番最初の食事はマレーシア料理ではなかったが、マレーシアならではだったのは「NO PORK」ということだ。イスラムの国なのである。
「どうして豚は食べてはいけないの?」
という理子の素朴な疑問に「この国で信じられている神様がそう決めたから」と答えるも、
「どうして?」と続けてくる理子。
「どうしてイスラム教にとって豚はだめなんだっけ?」
素朴な疑問は、答えがないままに自分自身も放置していたツケがこんなところでまわってきた。結局理子の興味は別のところに向かって行ったのでそのままこの会話は流れたのだけど。
食事は6品頼んで160RMちょっと。1RMが28円なので4500円くらい。
日本の同じ店で食べるよりはいくらかは安いけど、思っていたよりも高くつく。
食事を終えるとビル内にある水族館へと行った。なんとなく、雰囲気が品川水族館に似ている気がした。水槽のトンネルを通ると、頭上にはサメが泳いでいて、何層にもなった鋭い牙を覗かせていた。出口付近にはもちろんスーベニアショップがあり、どういうわけか日本語表記のポップがいくつもあった。おもてなしというよりは、商売っ気がありすぎるだろうとも思うが、買っていく客も多いのだろう。
ホテルに戻ると、またクラブラウンジに行った。昼食を遅めに摂ったので、軽い食事にしたいと思ったからだ。
ビジネスマンも多く滞在するらしいこのホテルでは、基本的にラウンジにいつでも入れるようになっているらしい。そして時間によってバイキングで提供されるものが異なった。モーニングやらアフタヌーンティ、夕方を過ぎると、カクテルタイムとなり、お酒も無料で楽しむことができた。イスラムの国ではお酒が高いのでこれは有難かった。
しかし食事をする、というほどのものがあるわけではなく、あくまでおつまみ、軽食だったので、理子はご立腹だった。感情が100パーセント顔と態度に出るわかりやすい子である。
僕らはビールを瓶のままで飲んでいたのだけど、ウェイターに「グラスはいるか?」と聞かれた。その意味を特に考えずに「ノーサンキュー」と言ってしまったのだけど、暗に行儀の悪さを指摘されたのかもしれない。カジュアルスマートというのがドレスコードとして存在していたから、僕のビールの飲み方は屋台向きだったのかもしれない。
その後、部屋に戻り、理子と風呂に入り、長い1日が終わった。
かのように思ったのだけど、なかなかどうして玲さんが寝てくれない。
「枕が違うと眠れないの」というわけではなく、ベッドでの就寝が珍しいからかもしれない。あらかじめベビーベッドを手配してあったのだけど、そこで寝るのは断固拒否だったから、セミダブルを2つつなげたベッドを縦横無尽にローリンローリンする。時折ベッドのつなぎ目にはまって抜けなくなり、また泣いた。寝たかと思ったら僕や花さんの足元あたりにいつの間にかいて、あと少しでベッドから落ちてしまいそうになる、ということが何回もあった。
結局熟睡できずじまいで、1日目を終えることとなった。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿