19時半にフェリー乗り場にあるポスト前に集合。ということで竹富島から戻って、そのままフェリー乗り場に居続けた。
ツアーの終了は21時を過ぎるということで、コンビニ行き食料を調達した。しかし時間帯の問題なのかあまり品数はなかった。
フェリー乗り場のベンチに座って食べる。もうとっくに売店は閉まっていた。離島の夜は早く終わってしまうのだ。しかしながら陽が沈むのは遅い。まだ夕焼けが続いていた。もう傘は不要な天気だった。
定刻になり集合場所に行くと既に多くの人が集まっていた。人気のあるツアーのようだ。
我々の名前が呼ばれるとワンボックスカーに案内され、そこで長靴を渡された。
家族がうまいこと座れるようにガイドの「ユウキ」が手際よくさばいていく。
車内の前方に中国人や韓国人のツーリストが座り、その後ろに3家族ほどの日本人が座った。
窓際、前の席に車酔いをしてしまう子供を優先で、という流れで座ってもらっていると、少し神経質そうなお母さんが、「私も弱いんだけど」とボソッと呟いて若干の苛立ちを感じているように見えた。
ツイストパーマを強くかけ(もしかしたら天然かもしれないけれど)、モンスターを飲みながら話す若いガイドはユウキと名乗った。もう一人のガイド、ドライバーはリュウ。「本当はもっと長い名前なのだけどリュウと呼んでください」と彼は言った。リュウから続くもっと長い名前ってなんだろうとしばらく僕は考えてしまった。おそらくリュウノスケザエモンタロウとでもいうのであろう。
車が動き出し、ツアーの同意書にサインなどをし、目的地へと向かう。ユウキは英語をあやつり外国人たちにも指示を出していた。若くてチャラついて見えるユウキの姿に、僕は当初抱いた感情を改める必要があると思った。この男、すごくきちんとしている、と。
とにかくユウキは喋りが上手だった。石垣島には天気予報など当てにならない、実際に起こったことが全てであると言った。この島の素晴らしさを嫌味にならない程度にウィットに富んだ表現で、まず日本語で説明し、その後英語でも話した。そしてその英語で中国人も韓国人も笑った。なんというエンターテイナーであろうか。
南国の若い男のツアーガイド、というとどこか軟派なキャラクターを想像してしまうし、そういった姿をしていたのだけど、彼は立派で有能な陽キャなガイドだった。
今から行く場所には天然記念物の生き物がいたり、見ることがなかなかできない生き物が多くいるとのことだったのだけど、「絶対に皆さんにみていただく」とユウキは満ち溢れた自信をもって我々にプレゼンした。現地に到着する頃にはもう車内のみんなはユウキへの信頼が高まっていたことだろう。
街灯がまるでない道をひた走り、寡黙なリュウは安全に我々を目的地へと連れていった。
ジャングルを安全に回るための注意事項を確認し終わったあと、強力なペンライトを貸してもらい、いよいよ藪の中へと入り込んでいく。街灯もないので各々の家族が持っているペンライトの光る先だけが頼りである。
僕たちを含めて4家族がリュウの引率だった。リュウはユウキほどの派手さはないけれど、隠キャというわけでもなくきちんとガイドとして有能だった。ユウキは体がとても臭い蛇をみつけるけれど、リュウはとても珍しいレアな貝を見つけてくれた。真っ先にヤシガニを見つけたのもリュウだった。きちんと彼らのチームの中にも役割があるわけである。
4家族がそれぞれ縦に並んで進んでいるので、ガイドの注意が行き渡らないので、我々がまず話を聞いて、それを後ろの家族に伝えていった。そうやってチーム感が強まっていったのである。
車の中で神経質そうだったお母さんもジャングルとユウキやリュウの話術にすっかりと解きほぐされたようで楽しそうにしていた。
勾配のある道や、聞いたことのない何かの鳴き声。少しの恐怖がありながら、慣れないサイズの長靴を履いていてコンディションとしては大変ではあったけれど、とても楽しい時間だった。
最終の目的地として洞窟があり、そこでユウキのグループと合流。コウモリがいたり蟹がいたりしたけれど、一番面白かったのはユウキであった。Tシャツを脱ぎ壁によじのぼってる姿は最高だった。
ツアーはとても楽しめた。満点の星空を眺めることはできなかったけれど、十分だった。ユウキに言わせれば星はどこでも見ることができるからである。
車へ戻る道で、リュウの引率チームは2家族に減ってしまっていて、残りはユウキチームに吸収されていて、それに気づいたリュウはちょっと寂しそうだった。暗闇でもわかった。
帰りの車内でもユウキは饒舌だった。ツアーは終わったので、これから島をどうやって楽しむのかという部分に論点を置いて話をしていた。飲み屋に行くなら、肉を食べるなら、酒を飲むなら、と。もちろんをそれを英語でも伝えていた。僕はとっても陽キャというものに憧れてしまった。いやユウキという人間に惚れてしまったのかもしれない。
フェリー乗り場に着いて解散。とってもいいツアーだった。台湾の時もそうだったけれど、個人で回る観光もいいが、その場限りのチームであっても、ツアーというのもいいものだなって思った。それにはやはり有能なガイドが必須、ということなんだけれど。
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