ここのところほぼ22時には布団に入っている。4人、同じ部屋。理子はママと寝たいし、玲さんは夜中に授乳が必要だからママの隣なわけで、ダブルの布団に3人。シングルに僕が一人寝ている。
夜中、玲さんがもぞもぞと動く音が聞こえる。こういうとき、耳は早々に働き始める。泣きだすであろうちょっと前に、花さんのパジャマのマジックテープが外れる音がする。授乳を開始したようだ。母親の反射神経には父親は永遠に追いつけない。
分断されながらも、5時には目がさめる。
寝るときに、iPhoneは飛行機モードにしていて、Wi-Fiも切っている。布団に入りながらもぞもぞしてなんとなくsnsをザッピングする。洗濯が終わるアラームが聞こえて、僕は布団から這い出る。
洗面所に行き、お風呂の追い炊きをする。洗濯物を干す。ものすごく小さなボリュームで、 never young beach を聴く。
大人のものよりも多い子供たちの服を洗濯バサミに止め、それらを持ってベランダに出る。左手方向は、オレンジ色の光が広がり始めているけれど、右手側はまだ夜が続いているし、中央では星が強く瞬いている。朝とも夜とも言えない、不思議な時間帯である。マンションの3階からは、少し離れたところにある首都高速が見える。この道には夜も朝も関係なく、いつだって車が走り続けている。
洗濯物を干し終えると、風呂に行く。最近日課になっているお風呂での映画視聴である。花さんたちが起きだすまでの時間、1時間ちょっと。つまり映画は一度では見終えることはできないけれど、それくらいがちょうどいいとも思っている。
つい昨日見終えたのはゴッドファーザー3である。つまりその前に1、2も同じように風呂で見終えた。9時間ちかく風呂にいたのかと思うと、いますぐのぼせてしまいそうである。
だいたい映画を見終えるのは、理子が唐突に風呂のドアを開けることによる。イタリアンマフィアが敵を待ち構えて殺そうかというときにドアが開くものだから、なかなかスリリングがある。
理子はここのところ、我々のコーヒーを淹れることにはまっている。といってもコーヒーのカプセルをセットして、レバーを倒せばコーヒーは抽出されるのだけど、きちんとそれに砂糖と牛乳を入れ、さらにスプーンでかき混ぜてくれもする。なかなかである。
それをおぼんに乗せて、テーブルまで運んでくれる。
「『まだかなー』って言って」と理子は僕に言う。
「まだかなー」と僕が言うと、「お待たせしましたー」と言ってコーヒーを置いてくれる。
娘に入れてもらうコーヒーは美味しい。
朝食を食べ終えると、理子の着替え、歯磨きとスムーズに行くこともあるし、我々に怒鳴られて、泣きながら保育園に行くこともある。
魔の3歳とよく言ったものだけれど、3歳で魔になると、そのまま能力は高まっていくわけである。3歳が絶頂では当然ないわけであった。
僕は大抵、iPhoneで音楽を聴きながら支度をしたり片付けをしている。
とある日、ペトロールズのFUEL聴いていたら、理子が廊下を走って僕のところにやってきた。
「楽しそうな曲が聞こえてきたから走ってきちゃった」だそうな。
音を楽しんでいるようで何よりである。いい朝だ。
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