外観はお世辞にもきれいとは言えないが僕好みだ。僕はこういうところのほうが安心する。室内は40平米近くのワンルームで床のタイルは黒。カーテンに薄手のレースを使っていて、2重にかかっている。ほかの建物よりも少しだけ高いので見晴らしがいい。とあるカメラマンはこの部屋のベランダで撮影をすることもあるらしい。反対側の窓には青山霊園が見える。
一日の始まりは掃除で、大きな窓を開け放って冷たい空気を感じながらやっている。それが終わるとベランダのウッドデッキで一服する。それから仕事をする。ひっきりなしにかかってくる電話は僕はあまりとらない。自分の席に電話がないからだ。メールアドレスもまだ無いし名刺もない。
2時頃になるとみんなで揃って食事に行く。「ご飯はみんなで食べる」というのを基本にしているらしい。それから夜まで仕事にかかる。僕にはまだ任されるページ数が少ないので仕事自体の量は少ない。雑用が主だ。自転車なので作業時間はいつまでも拡大していく。空が白々として新聞業者が出入りする頃に帰宅する。家に帰っても一服した後、シャワーも浴びずに寝る。
それを繰り返す。
でもここからが僕のスタートだ。
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