2018年10月12日金曜日

絵本

「それ、違うよ」と理子は言う。寝る時に読み聞かせをしている絵本の話だ。
理子の成長とともに、絵本の質も変わった。単純なものでなく、きちんとストーリーがあるものになった。
ストーリーがあるということは話自体が長く、毎日読み聞かせるのもしんどくなってくる。それに、理子が選ぶのは大抵毎日同じ絵本なのだ。
だから、というわけでもないのだけど、ちょっと端折ってみたわけである。
一節を抜いてみたところ、冒頭のセリフである。
しかも理子は続けて、端折った部分をそらで言い始めるのであった。
これにはちょっと鳥肌がたった。読んでいた本はラプンツェルで、ちょうど魔女が出ているところだったこともある。
通しで読んだことはおそらく5回にも満たない。それなのにその文章を覚えているわけだ。

3歳の頃、もうすこし単純な絵本を読んでいる時も、こちらが読み聞かせていると、理子がその先を読むということがあって、「うちの子天才なんじゃないだろうか」と思ったものだ。しかし幼児期というのはそういうものらしく、勘違いするべからずとネットの民は語っていた。

とはいえ、このスポンジのような吸収力は凄まじい。

花さんと理子が、図書館に行って、本棚を眺めていたところ、『地球の歩き方』を見て、「ママの好きな本だ!」と言ったらしい。
本当に面白い子である。

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