2009年12月30日水曜日

年の暮れ

恐れながら書くが、一人ではない時間が増えるというのは
ひとつの物事に対しての考え方が2つになるということである。
僕の考えと、もう一人の考え。
時にそれは同調を示し、また時には相反するものを生む。
たとえ自分と同じ価値観の人と意見を出し合っても
歌詞にあるように育って来た環境が違えばズレを生む。
ズレってきっと新しいものの創造に繋がる。
一人では行動に移さない事や発言しない事も多々ある。
二人だからやることもある。
1だとバランスが悪いけど2つになるとバランスが安定する。
そうなればいい。


29日。
遮光カーテンの隙間から覗く外の世界は青に染まっていて
まだ高い位置に太陽を上らせていた。
for mariaをステレオ装置で少し大きめの音でかけて朝が始まった。
冷蔵庫に入っていた野菜たちを鍋にぶち込んで作ったスープ。
寒いけれど窓を開けきって空気を入れ替えながらの掃除。
hanaが先日買った新しいデジタルカメラの試し撮り。
液晶のモニターの中では自然の光が肌を柔らかい白で染めていた。
各々が支度をして家をでた。
外には年末の大掃除で出された大量のゴミ。
先日までクリスマスカラーだった所に年始のお飾り。

東京駅は土産物を買う人たちでごった返していた。
hanaは妹と落ち合って新幹線の改札を抜けて行った。
二人とも乗車券を入れ違えてゲートが閉まるという同じ動きをしていて笑った。
同じ背丈の二人がそのうち寄り添って雑踏の中に消えて行く。
僕はしばらくその場所で手を振った。
二人の姿が見えなくなると僕もまた雑踏の中に消えた。

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