恐れながら書くが、一人ではない時間が増えるというのは
ひとつの物事に対しての考え方が2つになるということである。
僕の考えと、もう一人の考え。
時にそれは同調を示し、また時には相反するものを生む。
たとえ自分と同じ価値観の人と意見を出し合っても
歌詞にあるように育って来た環境が違えばズレを生む。
ズレってきっと新しいものの創造に繋がる。
一人では行動に移さない事や発言しない事も多々ある。
二人だからやることもある。
1だとバランスが悪いけど2つになるとバランスが安定する。
そうなればいい。
29日。
遮光カーテンの隙間から覗く外の世界は青に染まっていて
まだ高い位置に太陽を上らせていた。
for mariaをステレオ装置で少し大きめの音でかけて朝が始まった。
冷蔵庫に入っていた野菜たちを鍋にぶち込んで作ったスープ。
寒いけれど窓を開けきって空気を入れ替えながらの掃除。
hanaが先日買った新しいデジタルカメラの試し撮り。
液晶のモニターの中では自然の光が肌を柔らかい白で染めていた。
各々が支度をして家をでた。
外には年末の大掃除で出された大量のゴミ。
先日までクリスマスカラーだった所に年始のお飾り。
東京駅は土産物を買う人たちでごった返していた。
hanaは妹と落ち合って新幹線の改札を抜けて行った。
二人とも乗車券を入れ違えてゲートが閉まるという同じ動きをしていて笑った。
同じ背丈の二人がそのうち寄り添って雑踏の中に消えて行く。
僕はしばらくその場所で手を振った。
二人の姿が見えなくなると僕もまた雑踏の中に消えた。
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