自転車に乗って駅前を通る。
ふと、目に入ったのはオリンピックの五輪マークがプリントされたユニフォームのようなものを着た外国人。ホテルの前で何かを待っているような雰囲気だ。平時であったなら「いったいどこの国の人だろう、競技は?」とポジティブに見えるであろうそれが、どこか見てはいけないものを見てしまったかのように感じる。
2021年にも関わらず2020とプリントされた旗も、2年目の夏の風に吹かれて仕方がなくはためいている。
1年生の1学期という、今までの6年の人生のなかではとてつもなく濃かったであろう期間を終えて、理子が学校から持ち帰ってきたもののなかには、オリンピック観戦にむけて用意されたタオルや、入場パスケースのようなものがあった。平時であったなら、人生に一度しかないであろう自国でのオリンピックを生で体験できる最高の出来事であろうし、この後の人生にも多少影響を及ぼすであろう。しかし今ではそれは狂気の沙汰にしか見えない。オリンピックで感染することをどうしても考えざるを得ない。結果として学校行事としての観戦はもちろん中止された。
明日オリンピックが開催されるという。決まっているからやらなくてはならないらしいそれを楽しむには、どういう気持ちを持ち合わせればいいのか。
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