2014年6月22日日曜日

6月22日

雨音とともに一日が始まった。
しとしとと雨が屋根にあたる音が心地よく、眠りを深いものにする。
しかし、寝ているばかりの日曜日などもったいない、
そうやって自分を鼓舞させると、ベッドから這い出て一階へと降りていく。

一階ではHANAが朝食の準備をしている。
おはよう
何気ない朝の挨拶を交わし、僕も朝食をとった。
11時から、一つ隣駅にあるヨガ教室を予約しているということで、
HANAは準備をしていた。
僕はと言えば、午前中に用事など持ち合わせてないので、
ラジオを聞くともなく聞いて、先日買った雑誌を読んでいた。

「雨に歌えば」の優しい音色がラジオから流れてくる。
英語の歌詞など分からないけれど、ハミングする。
雨だからといっても、こういった曲を聴くと気分がよくなるから不思議だ。


行ってくるね
とHANAは言って、玄関で靴を履く。
そして扉を開けて振り返る。
午前指定の荷物が二つ届くから、その受け取りをしてね
まるで子供に用件を頼むような口ぶりで彼女は言う。

僕は「分かったよ」と言って軽く右手を挙げる。
HANAは小さな荷物を持ち、傘をさして出かけていった。


雨脚は少しだけ強くなる。
レースのカーテン越しにそれを確認する。
僕はソファに寝っ転がると、そのまますーっと眠りについてしまった。

ピンポーン
と玄関で呼び鈴が鳴る。
時計を見ると11時30分だった。
荷物をを抱えた宅配の男性は雨で濡れていた。
サインをし、荷物を受けると、礼を言った。
ありがとうございます


12時近くになって、僕は着替えをし、歯を磨いた。
お気に入りの帽子をかぶると、雨の世界へと出かけていった。
隣駅にいき、花屋の前で待ち合わせる。
僕の隣には、大きなユーカリの鉢植えが置かれていた。
しばらく待っているとHANAがやってきた。
雨、やんだね
HANAは言う。


二人揃って、いつもの美容室へと行く。
道中、花屋へ入ってダリヤを一輪だけ買う。
ヨシグチさんが好きだと言っていた花だ。

15時になり、美容室につくと軽く挨拶をした。
そしてダリヤを渡すと、すぐに空き瓶に生けてくれた。
まずHANAが髪を切り、その次に僕が切った。
足下には大量の髪の毛が落ちている。
髪型が夏らしく、涼しげなものになった。

礼を言って外へ出る。
家へと帰る前に、また花屋へと行き、ローズマリーを2鉢買った。
少し触れるだけで香りがたった。

家に帰るとそのローズマリーを玄関の前に植えた。
このまま根付いてくれるといいのだけれど。

少し一休みをすると、20時になった。
二人で夕食の支度をする。
僕はサラダとおひたしを作った。
HANAはカブの煮付けとアジの柚子胡椒漬けを作った。
昨日の残り物とそれらがテーブルを埋めた。
いただきます

もう雨音は聞こえず、ラジオの音だけが流れていた。
一日が静かに終わる。

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