旅行の途中で一度ホテルに戻り、一眠りしてからまた街へと繰り出すというスタイルを
我々はいつの間にか習得していた。
僕にとっては不慣れな街なので、足腰がクタクタだったのだ。
僕たちはまず、古着屋がたくさん集結しているエリアへと向かった。
果たしてそこは、上野のアングラ地帯のようだった。
碁盤の目のように区画が分けられていて、所狭しとラックに服がかけられている。
ガイドブックには掘り出し物が見つかるなどと書かれていたのだけど、
僕たちがたどり着いたときには既に閉店間近の時間で、ゆっくり見る事ができなかった。
それと、店員さんが近寄って何か話しかけてくるのだけど、僕には理解できないので
そそくさと出てしまった。
その一帯を出ると、ファッションビルが立ち並ぶ、東大門というエリアへ行った。
高層ビルのネオンが煌びやかだ。
一つのビルに入ってみると、ラフォーレのような雰囲気だった。
レディースのフロアを一通り見て回る。
聞いた事のない、おそらく韓国のブランドのブースがいくつもあった。
acneだったり、GIVENCHYだったり、Stella McCartneyだったり、
要はハイファッションブランドのエキスを吸い取ったような服が並んでいた。
面白いのは、徹底的に似せてくるということだった。
ブランドの書体まで一緒だった。
そういった意味でなかなか見応えがあった。
メンズフロアも見てみると、店員は暇そうだった。
基本的に店先でスマフォを見ている。
そして店の前を客が通るとものすごく積極的に話しかけてくる。
僕の印象では、レディースのファッションにおいてはすごくハイを意識しているのに、
メンズはただただエグザイル的だった。
中には甘めのものもあるのだけど、なんともピンとこなかった。
このビルの近くには何件もビルが並んでいたので、違うビルにも入ってみたのだけど
違う店で、同じ商品が売られていた。
おそらく問屋が一緒なんだと思うけど、メンズに関してはまだ力を入れてないのかもしれない。
日本人を見ると、日本語で話しかけてくる。
パッと見で日本人と認識できるのか?と疑問に思った。
トルコに行ったときはコリアンか?って聞かれたものだけれど。
その後いくつかのビルを見て回ったものの、接客のしつこさに辟易してしまい、
チョンゲチョンという川辺の道を歩く事にした。
そこはいわゆるデートスポットらしい。
ライトアップされた少し雰囲気のある道だった。
HANAが作ったしおりに沿って、我々はタッカンマリを食べに、
ミョンドンタッカンマリというお店に行った。
その店名の通り、タッカンマリしかない店である。
地元民が集まりそうな食堂で、店に入って特になにも言わなくても
鍋とタレが用意される。このタレは自分で調合する。
僕は鶏肉を煮ただけの鍋と言うのが基本的には苦手なのだけど、
ここのは食べる事が出来た。
風邪を引いていた僕は、本場のマッコリを飲む事なく食事をした。
そして、鍋の締めにうどんを食べたのだけど、これまたおいしかった。
食を堪能したのち、予約してあったマッサージ屋へと行った。
店員さんも日本語が堪能だったし、日本の雑誌のコピーが店先に貼られていた。
日本語で僕が「日本人の客は多いのですか?」と聞くと多いと答えていた。
マッサージの内容はと言えば、スポーツマッサージと言う種類のもので、
全身をマッサージしてくれるものだった。
人生において、初の全身マッサージ。
正直、HANAさんに肩を揉まれるのでも拒否反応を起こしてしまう程
マッサージが苦手なのだけど、ペイするからにはその辺は我慢できるのではと思ったのだ。
服を着替えると、HANAと隣同士のベッドで横たわる。
日本語で「始めますよ」といわれ、なすがままに体をゆだねる。
基本的に痛い。
そして風邪をひいてるために、大量の鼻水が流出していた。
こんなので一時間も耐えられるのか!?と思っていたのだけど
いつの間にか虜になっている私だった。
実はMなのかもしれない。
うつぶせから仰向けに姿勢を変える際に、鼻をかんだら?といわれ放出した。
すると、「アイゴー」と言われた。可哀想にという意味らしい。
その後順調に僕の体をほぐしていく韓国のママン。
隣のベッドから時折聞こえるHANAのうめき声。
異国で何をしているんだろうと、ふと思う。
マッサージを終えると、温かいお茶を頂戴する。
そして会計を済ませて店を出た。
ホテルへと帰る途中、コンビニに寄ってチョコを買った。
ホテルの部屋に戻って、開封してみると、箱が上げ底になっていて、
商品の数が箱の見た目に対してすごく少なかった。
恐るべし韓国。ポテンシャル高いぜ。
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