2013年2月19日火曜日

18日

先週の土曜、hanaが髪を切りに下北の美容室nikkiへと行った。
僕は髪を切る予定がないのだけど、付き添っていくことが常だ。
逆に僕が髪を切りに行くときは、hanaが付き添う。

この日はhanaが先にnikkiへと行き、僕は一人で古着屋を少し回る事にした。
filmという古着屋では、服よりも、棚に陳列されていた
ヘルムートニュートンのポートフォリオを集めた写真集に興味がいってしまい、
値段を聞いてみるがそれはディスプレイの一部だった。

一気に興味を失ってしまった僕は、nikkiへと足を運んだ。
すると、hanaはまだ髪を切っていなかった。
どうやら話に花を咲かせてしまっていたらしい。
店に着くなり笑い声が響き、本日の生け贄が献上されていた。

鏡の中のhanaはだんだんと髪が短くなっていく。
時折よしぐちさんは、僕の方を振り返り話しかける。
しかしはさみは動いている。
後頭部にも目がついているかのようだった。

髪を切り終えたあと、お気に入りの写真集だといって、
アービングペンのPASSAGEを取り出し一緒に見出した。
いいものを見ながら話しかけるよしぐちさんの顔は優しい。

8時から豪徳寺のピコンバーを予約していた僕らは、
その時間になってnikkiを後にした。

ピコンバーは駅近くの路地に、ひっそりと佇むカフェバーである。
ヨーロッパのどこかの国をイメージソースとしているのだろうけど、
果たしてBGMはエンヤだった。

ビールで乾杯し、それぞれが気になったメニューを一通り選ぶ。
食事に出かけると口数が少なくなる僕。
しかし今回の食事は僕の誕生日のお祝いであった。
ゆっくりと食事をし、酒を飲んだ。
後ろの席では女の人がいきなり泣き出していた。

食事が進んで行くと、ワインメニューを手に取った。
すると見慣れた「エストエストエスト」の文字。
イタリアに行った時、そういった名前のレストランで食事をした。
それ以来、どこかでこの字面を見てしまうと条件反射的に注文してしまうのであった。

とてもおいしい料理をたいらげると、店を後にした。



友人がこっそりと働いているとあるバーに行くと、
既に他の友人たちがカウンターを陣取っていた。
hanaは時既に限界を迎えていたようで、店に着くとウーロン茶を注文していた。
カウンターの目の前に取り付けられていたモニターには
スプラッター映画が無声で流れていた。

終電でキレイに帰宅する友人。
終電を気にせず飲む酒飲み。

腰を据えて飲むのは久々という事も合って、
思い出話や今の話をした。
同じ時間を過ごしているのに、出会う人たちはそれぞれで、
だれかにときめいて、誰かに傷ついて、
喜んで悲しんでいた。

会話の中で、最近は日記書いてないのか?という話になって、
29歳になったことをきっかけにしてまた書き始めればいいのにということをいわれたので
久々にモニターに向かって文章を書いている。
すっかり文章の勘が鈍っている。

これを書いているのは2月19日の深夜だ。
hanaが帰ってきた。
キリがいいのでこの辺でシャットアウト。

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