普段ならまだ布団のなかにいる時間だったが、
二人はベッドを抜け出してリビングに行った。
各々が支度をして、一張羅に着替える。
一足先に hanaが家を出た。
羽田空港へと両親を迎えに行ったのだ。
僕は部屋の片付けをし、洗濯物を干してから家を出た。
空は快晴だった。
落ち着いた風が、桜の花びらをやさしくなでていた。
電車に乗り込むと地震の影響でダイヤが乱れていた。
お茶の水駅で両親と待ち合わせをしていたけれど、
約束の時間には間に合わなかった。
何度か停車しながらも目的地へと着いた。
不思議にも、遠くからでも両親の姿をすぐに見つけることができた。
小さめの旅行バッグにいくつかの紙袋を持っていた。
僕はそんな姿をしばらく遠くから見つめていた。
両親と落ち合うと、山の上ホテルへと向かう。
ロビーのソファに腰を下ろし、
両家顔合わせの段取りを、両親と話し合った。
しばらくすると、 hanaが両親とともにやってきた。
挨拶もそこそこに店内へと入った。
とくに挨拶を考えた訳でもなかったのだけど
口からでてきた言葉を挨拶とした。
言いたいことは考えずとも自然とでてくるものだ。
食事の前に婚姻届にサインをしてもらった。
お互いの家にはカメラを持った記録魔がいた。
食事が運ばれてくるのとともに、最初はぎこちない会話だったが
徐々にくだけた雰囲気となって、ビールも進んだようだった。
記念撮影をし、店を出た。
せっかくだから夕飯も一緒に食べようと言うことになって
hanaの兄妹を誘った。
一度家に帰って一休みして、8時頃、二子玉でごはんを食べた。
昼間の食事とは違い、ラフな食事会だったのでいろいろな話ができた。
本人にとってはくだらない会話でも、相手にとっては知らない一面だったりして
とても楽しく食事の時間が過ぎて行った。
駅で別れ、それぞれの家に帰って行った。
4月17日(晴れ)
両親とひさびさに朝ご飯を食べた。
支度をしてから世田谷区役所に行った。
日曜日は裏口の守衛さんがいることろで婚姻届を受け付けていた。
書類に一部訂正する箇所があったのだけど、スムーズに手続きは済んだ。
父が後ろでひたすらにデジカメで写真を撮っていた。
区役所の看板で記念撮影したり、一般の人たちが入籍時にやるであろうことをやった。
その後、母が銀座に行きたいと言うので電車で銀座に行って、
お好み焼き屋でごはんを食べたり
キャスキッドソンで親戚のこどもにお祝いを買ったりしていた。
東京に慣れない父は早々にダウンしてしまい、彼らは東京を去って行った。
両親と別れたのち、僕らは銀座をブラブラと歩き、コーヒーを飲みウィンドウショッピングをした。
僕たちはそのときカップルではなく夫婦だった。
これから先、今まで生きてきたぶんよりも長い時間を夫婦として過ごす。
これってなんともすごいことだと思う。
楽しみだね。実に。
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