七夕の日、朝からそのことがニュースで取り上げられていて、一緒にご飯を食べている理子に何気なく聞いてみた。「七夕ってどういう話か知ってる?」。
私は「おはよう」くらいの気持ちだった。
すると「織姫と彦星が仕事しなくなっちゃってー」というちょっと突っ込んだ話をしてきた。
「お、おう」と私は返事にたじろいでしまった。
自分が子供の頃に知らなかったものを、今の子供たちは知っているんだなと思った次第。
夜、食事を終えた後の歓談の最中、ちょっと外出てお空見てみる?と花さんが言って、私は夕飯の片付けを、3人は外に出ていった。こういう時は外気温というのはさして苦にならないようだった。
わいわいがやがやとしていた声は、玄関を出て行ってしばらくしてから消えていった。
私はふいに一人時間を過ごした。そして自分が過ごした子供の頃も、こんな感じで親や祖父母と外に行ったりしたんだっけな、と思った。覚えていないけれど。
しばらくしてから3人が帰ってきた。星見えなかったね、仕方ないねという話をしている。
それから風呂に入って、就寝までのルーティンを過ごした。
布団に入って、電気を消す。理子に手伝って貼ってもらった星型の蓄光シールが、昼間の明かりを吸って実に綺麗に瞬いていた。
「うちには天井にお星様があるね」「うちの天の川だ」と言った。
子供というのはふいにとても可愛らしいことを言ってのけるものだと改めて思った。
来年も同じように天井を見てこんな話をしたいものだと思った。